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月虹

≪光弦~another-side≫の続き。
18禁描写が含まれますので折りたたみです。
 
 
 
   
続き
 
 
 
 
 
≪月虹≫ 
 

 
 
このままではかなりヤバいぞと頭の隅でアラートが鳴る。

いくらなんでもこんなオープンな空間で、雰囲気と本能に流される事態になることだけは、絶対に避けなければ。
が、間近で見る彼女の頬の何ともいえない艶がまた危険領域に急がせる。

「ミリ、アリ…ア…」

やっとのことで息を継ぎ、逸る心にブレーキを掛けた。

「…あ、ふ、ぅ…」

ミリアリアの唇が熱い吐息を溢す。

こんな状態で無防備にも蕩け切った表情を見せるのは卑怯そのものだと、美味し過ぎる状況を却って恨めしく思いながら、ゆっくりと彼女の体を離した。

「ミリアリア。分かってるかも知んないけど、俺、かなりヤバい…」

相手の意思を確かめようと、潤んだ海色の瞳を覗き込めば、相手も熱情が上がっているのが良く分かる。

――きっと、望む先は、同じ。

伏せられた長い睫毛の先が小さく震え、YESと答えたように見えた。
そう確信して、もう一度離した体をしっかりと腕に抱き込む。

抵抗は、なかった。


*


いつも着ているお固いユニフォームとは違う簡素なアンダーウェアは、その上からでも十分に柔らかさと温かさを伝えて来る。

だくだくと早鐘を打つ鼓動は自分も相手も同じくらいで、自分がこの先を少しでも早くと知りたがる初心な頃みたいで、我ながら滑稽なことだと思う。
お構いなしに心臓は焦る心に比例するように激しく胸を打ってくれる。
しかし、急いてしまうことは得策ではないし、かといって時間を掛けて進めるのも、自分自身がもう苦痛としか感じていない。


「…ミリ、…」

喉が、カラカラに干上がって、声が出せない。
彼女の体が、ゆっくりと白いシーツに沈んでいくのが見えた。

首に縋り付いていた細い腕が、次第に背中に回される。
時々爪を立てるのだろう、ちりりとした痛みが背中に走る。
常日頃から鍛えている自分にとっては何とも思わない痛みの一つでも、与えている彼女にとってはきっと、ずっと心の奥に抱えていた自身の痛みなのかもしれない。

今までどんなに堪えてきたのか、今何を堪えているのか。
それは本人しか知らないことだろうけれど、この時間だけは本能に従うことだけを考えて、他は全部忘れればいい。

そして彼女の痛みの代わりとなったこの背中の爪痕は、ずっと消えないで残ればいい。


白い体がこちらの生み出す律動に合わせて、揺れる。
声にならない声が、切ない叫びとなって耳に響く。
繋がった部分が融けそうなほど熱くて、本当に融けて一つになってしまえればいいのにと思いながら、更に彼女を深く穿つ。
反らされた胸のふくらみの上で薄紅に色づき存在を誇示する頂に舌先を這わせると、一際甲高く甘い喘ぎを漏らす。

「ダメ。声、聞きたい」

自分の嬌声に驚いて口元を隠す手を塞げば、怒ったような恥ずかしそうな表情で顔を横に背けた。
いつも見せている表情も、この状況では熱を煽る材料にしかならないことを知らないのだろう。
そんな彼女が一層愛おしくて、細い腰も背中も折れてしまうくらい腕に力を込めると、応えるように抱き返してくれた。

無意識に返したのだろう彼女の反応に最早自分を平静に保つことなど出来ない。
もうどうにでもなれと最奥を目指して穿てば、穿った熱がギリリと締められ、今度はこっちが声を出しそうになった。

誤魔化すように口づけ、思うまま貪り、夢中になって繋がり合う。
押し寄せる抗い難い感覚に藻掻き、互いの背中を掻き抱く。


最後は二人一緒に大きな白い波に飲まれ、抱き合いながら深い水底に沈むように眠りに堕ちて行った。


《了》

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VIVA!ディア誕!
たまには、デさんにいい思いさせてもいいじゃん!

(2009/03/30 up)